『わたしの外国語学習法』(ロンブ・カトー)を読んで


トロイア遺跡などを発掘したシュリーマンが18か国語を話せたことは有名だが
ロンブ・カトーもハンガリー生まれの16か国語を操る”言語屋”(linguist)であり、
その中には中国語、日本語まで入っているのはちょっとすごくないか?

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わたしの外国語学習法 /ちくま学芸文庫


”外国語学習法”なんてタイトルだからと甘く考えて読み出してみると
通訳・翻訳家の教育論的な難しい話が多かったり、
ハウ・トゥー(How-to)本のようにわかりやすくまとめられていなかったり、
とりあえず英語を習得したいだけの人間が安易に読むと
「何だかなー」といった読後感しか残らない。


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それもそのはず、
著者は1909年生まれの人で
外国語習得を始めたのは第二次世界大戦よりも前のことだ。
インターネットどころかテレビもなく、
使えるツールと言えば本・辞書・新聞・ラジオがせいぜいといった時代、
言うなれば情報に飢えていたstarvingな時代の話だから
その方法論となると現代人には根性論に聞こえてしまうのも仕方ない。
(さらに昔のシュリーマンになると、文法もわからぬまま原書を大声で何度も読み暗記!)

そんな著者が掲げる外国語習得の10のアドバイス(p.211~)。


①外国語は毎日学習すること
②意欲が無い時は自分に鞭打たない。しかし学習は捨てない
③文脈から離れて覚え込まない
④「成句」を覚え込む
⑤見かけるもの全てを訳してみる
⑥正しいものだけを覚え込む
⑦成句や熟語を1~3人称単数で覚える
⑧外国語は四方八方から同時に襲撃すべき砦
⑨しゃべること、誤りを直してもらうことを恐れない
⑩達成への確信を持つこと



ネガティブなことばかり書いてしまった気もするけど
当然ながら中には面白い話もちょいちょい目にするもので
例えばハンガリーの外国語教育事情。

第2次世界大戦後、ハンガリーは旧・ソ連の影響下におかれたことから
学校で学ぶ必修外国語と言えばロシア語だったのだが

4~7年間ロシア語を習得し、ロシア語の名詞の格変化と動詞の活用変化、さらに必須単語をしっかりと身につけたはずの学生113名中、コップ一杯の水をきちんと頼むことができたのは、わずか4名だった (p.66)

(※EU加盟後はマルチリンガル政策により変化しているらしい)

どこかの国と似てる(笑)

昔から言われてきたけど
”ウォーター”が通じずに撃沈するらしい。

”ワタ”、いっそ”ワラ”のほうがイケる。
さらには”ワダ”がいいとも言われる始末だ。

ところが、それは全てアメリカ英語の話で
イギリスに行けば”ウォーター”で通じるという。
”和田!和田!”では却って不正解。

そういった事情も絡んでいるから実に厄介なのだ。


しかし、なにより面白いのは訳者あとがきにある、
印税を支払わない創樹社(※2002年に自己破産)からの版権引き上げ宣言だったりする・・・。


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Author:E
数年勤めた会社を辞めて、某資格受験生活に入るも挫折したまま三十路をいくつか超えた無職。いい加減何とかしたいが、まだ何とかなると余裕があったりで、資格の勉強+ケータイ無しの直感のみでせどりする日々。あくまで、息抜き・趣味・リハビリとしてのセドリなので、売上はショボいです。

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