友好の代償として


3~5年ぐらい前の記憶が最も薄いように思う。

言われるとそうだったかなという気がする程度で
明瞭には思い出せなくなっている。

体調や年齢的に頭のはたらきがおちてるせいかもしれない。

しかし、もっと古い記憶を再生することだけは旺盛なんだ。

強烈な印象を残した2,3の事柄に意識を集中化しているだけだし
それが本当に正確なのかどうかとなると怪しいものだけど。

人によっては前世の記憶があるという方もいるだろうけど
だいたい3歳頃から記憶があるというのが
懐古趣味市場の相場ではないだろうか?

僕の中での最古の記憶もやはり3歳頃のもので2つぐらい覚えている。

その一つが田舎に帰省した際に姉と一緒にピンクレディーのマネをやって
親戚の喝采を得たこと(そしてはしゃぎすぎて疲れ、夜道をおんぶされて帰った)。

もう一つが、オサム君と初めて遊んだ時のこと。
オサム君というのは近所に住んでいた僕より一歳年下の男の子。
だから僕が3歳でオサム君が2歳だったと思う。

お気に入りだったおもちゃのクレーン車を初めて庭の砂場に下ろすことにした時のこと。
家の中で遊び飽きたおもちゃは、砂場遊び用として外に出してしまうのが当時の慣習だった。

クレーン車を持って庭に佇んでいると
どこからともなくやって来てそこにいたのがオサム君だった。
(この記憶のVTRは突如ここから始まるので何故オサム君がうちの庭に入って来たのか不明)

当然ながらオサム君は僕が手にしていたクレーン車に興味を示し
貸せと言わんばかりにしつこく要求してきた。
オサム君はまだまともに喋れなかった。

どこかの部族に対するように友好の証を示さないといけないと思った僕は、
素直にオサム君にクレーン車を渡してあげた。

オサム君は猿のようにキャッキャッとクレーン車で遊び始めた。
そこまでは貸してあげてよかったなと思ったのだが。

オサム君は猿のようにキャッキャ、キャッキャと興奮するあまり、
を垂らし始めた。まだ2歳だから。
一旦はすするけど(2歳でも啜らないといけないことぐらいわかるらしい)、また垂れてくる。

その様子を見ていた僕は不安に思えてきた。

涎がクレーン車に落ちてしまうのでは・・・

クレーン車遊びに興じるその姿より、
垂れ落ちんばかりのオサム君の涎のほうが気になりだした。

徐々に光る涎の糸が伸び始めた。
オサムがその都度すすっても、次に出てくる涎の伸び具合も長くなる。

そしてついに・・・
涎は・・・
クレーン車に・・・
達した・・・

しかもたっぷり・・・

一旦クレーン車に達すると、一筋の光の糸はその後ダラダラと垂れ続けた。
クレーン車はヨダレまみれになってしまった。

その場ですぐに洗えばよかったのかもしれないが
こっちも3歳ぐらいでそういった頭がはたらなかった。

クレーン車の旋回部位に砂礫が入ってこびりついてしまったようで
それ以来、クレーンを回転させる度にジャリジャリと擦れる不快感が生じるようになり
以前のようには滑らかに回転してくれなくなった。

クレーン車はオキニから外れた。


エピソード記憶は強い感情を伴った時ほど記憶に残りやすいという。

オサム君の涎が(落ちる!落ちる!)という強い焦りが
この最古の記憶を残す要因になったのだろう。

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Author:E
数年勤めた会社を辞めて、某資格受験生活に入るも挫折したまま三十路をいくつか超えた無職。いい加減何とかしたいが、まだ何とかなると余裕があったりで、資格の勉強+ケータイ無しの直感のみでせどりする日々。あくまで、息抜き・趣味・リハビリとしてのセドリなので、売上はショボいです。

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